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理事長挨拶



一般社団法人 日本マススクリーニング学会理事長
大浦敏博(仙台市立病院)






 このたびは、一般社団法人 日本マススクリーニング学会ホームページにアクセスして頂き、ありがとうございます。新生児マススクリーニング事業は一見正常と思われる新生児の中から病気を持つ患児を見出し、早期治療を行い、発病を予防することを目的としています。乳幼児健診や予防接種などと同じく、公衆衛生事業の一つです。本学会は、新生児マススクリーニングの検査技術の改良・開発、診断および治療方法、発見された患児の臨床的効果などについて研究している人たちの組織です。年1回開催される学術集会でその研究成果が発表されています。また、研究成果の発表、情報交換の場として日本マススクリーニング学会誌が年に3回発行されています。
 新生児マススクリーニングの対象となる病気の条件としては、①新生児期には症状がほとんど無いが、発見が遅れると非常に重い症状を引き起こす、②簡便で、偽陰性がほとんど出ないスクリーニング検査が可能、③陽性者の確定診断のための精度の高い検査法がある、④乳児期早期に開始することで効果が期待できる治療法が存在する、⑤発症頻度がある程度高い、さらには⑥費用便益比が妥当である、などが挙げられます。
 現在、我が国で行われている新生児マススクリーニングの対象となっている病気は、アミノ酸代謝異常症、尿素回路異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症、ガラクトース血症など18種類及び内分泌の病気である甲状腺機能低下症、副腎過形成症の計20種類となっています。近年、新規治療法の開発に伴い、新たな新生児マススクリーニング候補の病気が挙がっています。米国ではポンペ病、原発性免疫不全症、ムコ多糖症I型、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症などが推奨される病気としてリストアップされており、多くの州でスクリーニングが開始されています。本学会でもこれらの病気の試験研究が報告されています。
 マススクリーニングの対象となる病気は一度も聞いたこともない様な稀な病気ですので、小児科医でも十分な知識を持ち合わせていないことが多いです。その為スクリーニングで陽性となった場合は、家族の方々にとっても不安で、誰に聞いたら良いかわからない孤独感を感じられることも多いと思われます。陽性と言われた時、どうすれば良いのか、診断までにどのような検査を受けるのか、治療法はあるのか、病気のことを詳しく知りたい時はどうすれば良いのか、同じ病気の患者家族と交流したいなどの希望を持たれることも多いと思います。この様な不安や疑問に答え、正しい知識を普及するのに、このホームページがお役に立てば幸いです。



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