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日本マススクリーニング学会とは

 日本マススクリーニング学会の前身は1973年に発足した代謝異常スクリーニング研究会です。故森山豊研究会理事長、故成瀬浩前学会副理事長、故大浦敏明先生、故北川照男先生、多田啓也先生、松田一郎先生らの努力で設立されました。1990年に研究会からマススクリーニング学会(坂元正一理事長)となり、現在は日本小児科学会の分科会にもなっています。会員は、臨床医(小児科、産婦人科、内科等)、検査技術者、基礎医学研究者、公衆衛生・疫学研究者、行政の担当者等で構成されています。新生児スクリーニングの診療上の問題、事業の効果、技術開発、関連部署の連携体制、将来の在り方等について話し合われます。
 現在、日本マススクリーニング学会会員数は約450名、毎年、学術集会、技術部研修会を開催しており、2019年の第46回学術集会は沖縄で開催されました。  

わが国の新生児マススクリーニング事業

 わが国の新生児マススクリーニングは、1977年10月よりアミノ酸代謝異常症{PKU、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症、ヒスチジン血症(1993年中止)}とガラクトース血症を対象としたスクリーニングが国家事業として全国レベルでスタートしました。続いて1979年に先天性甲状腺機能低下症、1989年に先天性副腎過形成症が追加され、6疾患を対象としたスクリーニングが行われていました。
 2014年より、従来のガスリーテストに代わってタンデム質量分析計(タンデムマス)が全国で導入され、従来のアミノ酸代謝異常症に加えて、尿素回路異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症が対象疾患に加わり、現在、20疾患を対象としたスクリーニングが行われています。わが国のマススクリーニングの受検率は100%であり、精度管理体制、検査システム等、世界でトップレベルのスクリーニングが実施されています。

新生児スクリーニングの対象疾患と効果

 スクリーニング検査の対象疾患は、検査の負担が軽く、治療可能で、かつ放置すれば障害を引き起こすような病気です。これらを発症前に発見・早期治療を行うことにより、障害の発症を予防する目的で実施されます。発症しないことを目的としているので、効果が劇的に見えませんが、この事業によってこれまで多数の小児が、知的障害、心身障害あるいは小児死亡からを免れています。最近アジア諸国でも新生児スクリーニング導入の機運が高まりつつありますが、導入していない国の状況をみると、改めてわが国の新生児スクリーニングの社会的貢献度を感じます。本事業はこれらの病気の医学研究面でも重要な貢献をしてきました。

国際協力

 本学会は1980年代に国際的プレコングレスを開催するなど、1991年オーストラリアのLeuraで開催された国際会議が第1回「国際新生児スクリーニング学会(ISNS)」に改称される原動力となりました。さらに当時本学会副理事長であった故成瀬 浩先生がISNSの理事長として1988年~1993年の間活躍されています。そして、2006年ISNS第6回大会が日本の淡路島(黒田泰弘会頭)で開催されました。 ISNSは国際的に新生児スクリーニングに貢献した会員を表彰するロバート・ガスリー賞を1996年に創設していますが、我が国からは故成瀬 浩先生(第1回、1996年)、福士 勝先生(2012年)のお二人が受賞されています。また、前理事長の山口清次先生は、2016年~2019年の間ISNSアジア太平洋地区の理事をつとめるなど、本学会は新生児スクリーニングの発展のための国際協力も行っています。


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